福島県相馬市の
はりきゅう院
さとう家治療室
筋膜(ファシア)とは?
筋膜とは筋肉を包むコラーゲン繊維の膜のことで、ウェットスーツのように体全体に張り巡らされ、表層から深層まで立体的に包み込むため、組織を支える第二の骨格であるといわれています。筋膜は筋全体を覆っている最外層の筋外膜、いくつかの筋繊維を束ねて覆っている筋周膜、さらに筋線維1本1本を包む筋内膜との3つに分けられます。
この筋膜は柔らかい組織なので、委縮・癒着しやすい特徴があります。この筋膜の委縮や癒着が起こると時にコリや痛みを招き、筋肉の柔軟性を損なう原因となります。
筋膜の役割とは?
筋膜には様々な重要な役割があります。
・各組織を包み込み、組織と組織の間に仕切りをつくり分けると同時に結びつけ、体の姿勢を保つ役割を持つ
・組織同士がこすれあうことで生じる摩擦から保護する
・筋膜は、筋線維を包んでいる3つ(筋外膜、筋周膜、筋内膜)に構成された構造から、筋線維の動きを支え、力の伝達を行う
筋膜自体はコラーゲンでできており、85%水分を含みます。
水分の枯渇やストレス、同じ姿勢(不動)での長時間作業(パソコンやデスクワークなど)、筋肉の柔軟性の低下などにより、筋膜同士が癒着してしまい、筋肉自体の動きを阻害してしまいます。
筋膜は全身を覆っている組織です。
例えば、腰や背中に痛みやコリのある方は、おしりやふともも、股関節部位などの「痛みのある部分の周り」の筋膜をリリースすることによって、症状を改善することができます。肩などの痛みなども同様で、肩や首、腕やわきの下などの筋膜をリリースすることによって、改善することができます。
それらは筋連結と呼ばれ、代表的な理論にはThomas W.Myersのアナトミートレインがあります。
連結のラインは浅い位置のライン、深い位置のラインなどがあり、それぞれのラインは東洋医学でいう経絡に良く似ています。
癒着した筋膜 -myofascial-
腰痛とも関連が深いディープフロントライン
筋膜リリースとは?
筋肉がスムーズに動くためには、筋膜の滑りの良さが必要です。筋膜を柔らかくし滑りを良くして、解きほぐすことを「筋膜リリース」と言います。筋膜リリースを行うことにより、筋肉の柔軟性を引き出し、関節の可動域を拡大します。
筋膜リリースとは、筋膜の委縮・癒着を引き剥がしたり、引き離したり、こすったりすることで、正常な状態に戻すことを言います。
当院の筋膜リリースの方法ははり、マッサージやストレッチの手技と併せ、アメリカ発祥の医療用ステンレスで作られた筋膜リリースツールの「テクニカ・ガビラン」を使用します。
筋膜組織の機能回復を図るためには、物理的に圧迫・刺激を加え、筋膜の乱れを取り除くことが重要となります。
そのためにガビランツールは非常に有効です。
日本でこれらのツールを使用している治療院はまだまだ少ないですが、当院ではいち早く導入しております。
テクニカ・ガビラン
ガビラン筋膜リリースの様子